空談録

世界で5人くらいに役立ちたい

オンラインストレージをどう使うか

ポエムストリームアタックだ!

おとといだかにOneDriveが値上げしたり容量減らしたりでよく燃えてましたね
私も正直高いと思ったので移動するかなぁと思ったりしている次第です

だらだらと書いていきましょう

オンラインストレージの役割を考える

まずオンラインストレージは何に使うものかを考えておきます。じゃないと話がとても面倒だからです
私の場合オンラインストレージは次の三つの目的に分別できます
・保存:ファイルをオンラインストレージ上に保持する(バックアップその他)
・連携:ファイルを自分の利用する複数のデバイス間で同期する
・共有:ファイルを他のユーザーが利用できるようにする
保存ってまあ普通に保存してれば保存です。Disaster Recoveryなりバックアップなり後日使うなり何でもいいですが
連携は例えばスマートフォンで撮った画像をPCでも見たいとか、ドキュメントを別のPCでも編集したいとかそういうの
共有は普通にファイルを別の人がダウンロードできるようにするって考えてもいいです(共同作業的なのもありますが)

まあきっとおそらく個人用途であれば上の目的のどれかに当てはまるはずでしょう。もしあなたがこれ以外で使ってるなら私が頭悪いだけなのでこの記事をそっと閉じましょう
ところでなんで分けたかというと、どれが目的としての比重が大きいかで話が違うからです

もしファイルの保存を重視する場合、従量課金制のサービスのほうがかかる費用は安くなるのではと思います
逆に共有目的であればAWSGCPみたいないわゆるクラウドと呼ばれるようなサービスは避けたほうがよいでしょう
(クラウド…って何だろうと思うのですがいまいちそういうサービスを指す言葉がわかりません。IaaS…?でいいのかなぁ)
完全に共有だけが目的ならアップローダを使うのも手ですし

というわけでとりあえず目的を確認したので次の話に行きましょう

何をもって安いと考えるか

結論から言えば「払った額が少ない」ほうが安いです。普通ですが

オンラインストレージには2種類の課金があります。従量課金制と定額課金制ですね。まあ普通です
従量課金制はいわゆる1GB何円みたいな感じで使ってる分だけお金を要求されるものです。Azure、AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)などがこれ
逆に定額課金は100GB何円といった一定のサイズで課金するものです。個人向けのオンラインストレージはほぼこっちでしょう

さて、この二つを比べるときに1GB単価で割ると話がおかしくなります。なぜかって?使用率が考慮されないからです
従量課金制では使用率は100%で計算されますが定額課金においては使用率は100%である保証がありません

例を考えてみます。1GBにつき1円の従量課金制オンラインストレージと100GB50円の定額課金制オンラインストレージがあるとしましょう(こんな安いのないけど)(どっちも月額でも年でもいいですが同じ期間の値段)
どちらも100GBで利用した場合お値段としては倍の差がつきます。しかしこれは100%利用している状況です。
もしどちらも50GBしか使っていない場合、値段は一緒になってしまいます(従量課金制は普通に50GB * 1円/GB。定額課金であれば100GBしかないので50円) つまり使用率50%以下になると保存用途において定額課金制はGB単価が従量課金制を上回ることになります
極端に言えば1GBしか使ってない場合、1GB単価は従量課金制は1円ですが、定額課金制の場合50円です。

つまり比較するにあたって「1GBあたりの単価が安いか」よりも「自分の想定する使用率の単価が安いか」を見るべきなわけです。1GB単価で割りたかったら100%使用しましょう

もう一つ、見逃せないのは通信料のお話です。従量課金制を採用するクラウドなサービスはたいてい通信料がかかってきます。逆に個人向けなオンラインストレージの場合通信料はほとんどの場合かかりません
ここで最初に考えた目的が重要になってきます。バックアップなどの低頻度でしかアクセスしない保存用途であれば通信料をほぼ無視できるでしょう。しかし共有などがメインの場合むしろ通信料に引っ張られてしまいます

まああれですよ、ただのGB単価がお安いものが~ってやっても意味がないという話です。AWS S3なりGCSがいくつかのプランを用意しているのもこのあたりがあるからですし
本気で何も考えないでGB単価だけを見ればS3 GlacierとかGCS Nearlineが一番安いでしょうが実際はそんなことはなかったりするわけですし

OneDriveについての話

OneDriveというオンラインストレージは最初の3つの目的を平均以上にこなせるサービスでした
Windows(というよりOffice?)への統合からも見て取れる連携性能の高さを重視し、保存と共有についてもしっかりしていました

事実として私も依存度自体は高かったわけです
現在3つのオンラインストレージを利用していますが
・OneDrive:保存、連携、共有
Dropbox:連携、共有
AWS S3:保存
という感じで案外よく使っていたわけですね

ただし今回の件でも思いましたがOneDriveはサービス自体への信頼度が低いと思われます
理由としては
・ファイルに対し向こうが監視しているという事実
・ストレージ容量が変動する
の二点です
前者はGoogleでもなんでもありそうですけど。緩いのはDropboxでしょうか…

問題は後者です。これはつまり「限界まで使うと損する」可能性があることを示唆しています
例えば今回も変更後の5GBより多く15GBより少ない場合も1年たてば課金することが求められるわけです。215GBの人で210GB使っていたら5GB減らすか255GBにするかを迫られるわけです。
これでは安心して使えないです。何かのボーナスのように一定期間の間利用可能というものであればそれを利用した結果はユーザー次第ですが、今回の変更はボーナスのように何らかの期限があると決まっていないものの変更です
容量が増える分には問題ないですが、減るとなると再び減る可能性があるためそう簡単に使用率を上げれなくなります。
(OneDriveについては25GB→7GB→15GB→5GBと2回目の容量削減)

オンラインストレージを分散することへの可否

ここの点も考えておきます

同一の目的を達成するためにオンラインストレージを分散することは非常に使いにくいです
これはオンラインでなくても様々な場面で発生します。とても簡単に言えば"My Document A", "My Document B", "My Document C"と何も考えずにランダムに分散させた場合、ファイルの重複検知、検索性のどちらもとても面倒になります
そう考えた場合「オンラインストレージの容量がいっぱいになったから別のサービスに手を出す」というのはあまりよい手であるとは言えません。

しかしやむを得ず分散を図る場合は目的も分割することである程度検索性能などを保つことができるといえます
例えばファイルの保存だけが目的だった場合、「画像ファイルだけは別のサービスで管理し、画像以外はもとのサービスで利用する」といった形で分割することで画像を探す場合は新たなサービスを、他はもとのサービスを探せばよくなります

というわけで「ファイルだけでなく目的も分散させる」ことが複数サービスの利用において最も大事ではないかと思います

で、OneDriveからどこに移ればいいの

いい加減主題に入りましょう

OneDriveはかなり高いレベルの水準のサービスであるといえます。保存容量についても「現在の課金プランを使用しているユーザーについては変更されない」とのことです
つまり、2016年の変更までに契約すれば月に"100GB190円"、"200GB380円"のプランが継続できます
変更後は"50GB190円"となり実質二倍の金額となります

ですが現状のプランが今後継続されていく保証がありません。気が付いたら2倍の金額を払うようになっていたとなってもおかしくないわけです
(まあすべてのサービスが値上げしない保証なんかありませんが、OneDriveの場合かなり変な体系になっているため上がる可能性が特に高いと言える)
上がらないに越したことはないですが、結果として上がった場合契約し続けたいと思うか?がOneDriveを使い続けるかのポイントではないかと思います

「こんなサービスを使っていられるか!おれば別のサービスに行くぞ!」って方向けにいくつか見ておきます。お金は基本月額

Google Drive
炎上ブログ的には最も人気なオンラインストレージ

無料で15GB利用可能
100GBで$1.99、1TBで$9.99
ファイルサイズは1ファイル最大5TB

機能やら利用可能なデバイスも似てるので割と人気なようです
Windowsとかの連携以外はほぼそのまま使えそうですし
ただし凍結されるとGmailのアカウントが飛ぶのでそこだけ注意ですかね(OneDriveも一緒ですが)


Dropbox
無料で2GB利用可能。キャンペーンで増やせるのはまだあるのかな…?
1TBで1200円+税(1296円?)
ファイルサイズの制限は特になし。(ウェブブラウザ上で行う場合は10GBのアップロード制限がある)

Dropboxはいまいち保存用途というよりも共有とかの用途に思えてあれです。(PC上にファイルを置くことを前提とした利用方法がメインに見えてくる)
スマートフォンだけで利用するなら他のと一緒なんですけどね


Amazon Cloud Drive
無料で5GB利用可能
年間で課金する形式。
20GBで800円、50GBで2000円、100GBで4000円、1TBで4万円
(1GBで40円単位の課金。月で割ると100GBは333.3円。1TBは3333円)
ファイルサイズの制限はなし(ウェブブラウザ上では2GBの制限)

値段がお高いですね…あと若干規約が厳しいかなという感じ
(共有メインだとつらい? 国外からのアクセス不可)

一通りの機能はそろってますがまだこれから感が


・box
無料で10GB利用可能
100GBで1200円
ファイルサイズ制限が無料だと250MB、Proだと5GBの制限

サイズ制限がいつぞやの---Drive並みです。目的次第といったところ

日本でよく言われてるのはこの辺でしょうか?

あと気になったのはこのあたり?

・Copy
無料で15GB利用可能
250GBで$4.99、1TBで$9.99。年間契約でもう少し安くできる
ファイルサイズ制限はなし

プランの間隔が広いかなぁという感じ。あとは会社をどこまで信頼できるかって感じかなぁ


・Bitcasa Drive
無料で5GB利用可能
1TBで$10、10TBで$99。年間契約でもう少し安く
ファイルサイズの制限はPCから上げればなし

えんたーぷらいず向けのせきゅりてーが使われているとかなんとか。容量が多いならありかなーという気もする


他にもあるって?ググってください。知らないサービスを調べて使いたいとあんまり思いません
エンタープライズ向けプランも出せ? それも知らない…

以下従量課金制を並べときます。無料枠なんてない。上級者向け

Amazon S3 (Simple Storage Service)
Standard Storageで$0.0330 ~ $0.0302/GB、Standard-IA(低頻度アクセス)で$0.019/GB
データアウトで$0.140~$0.120/GB。最初の1GBは無料
リクエストはGETが$0.0037/10000req, 他のメソッドは$0.0047/1000req。Standard-IAは二倍弱

移行なのでStandardストレージがメインかなという感じ。保存メインならStandard-IAでしょうか
Glacierはハイパー頭がいい人向けなので無視。候補に挙がる人ならこんな比較記事見なくても生きていけるでしょう
requestで結構お金が飛びやすいのとStandard-IAに若干制約があるので注意。


Google Cloud Storage
Standardで$0.026/GB、DRA(Durable Reduced Availability) Storageで$0.02/GB
データ通信は理解できなかった
リクエストはクラスに応じて$0.01/1000reqか$0.01/10000reqに分類される

データ通信の費用の計算方法がわからなかったので興味があったら Google Cloud Storage Pricing - Cloud Storage — Google Cloud Platform
StandardだとS3よりもGCSのほうが安いですね、たぶん(通信料がわからん)
リクエストの費用が若干高いので公開を考えるとS3のほうがいいのでしょうか。値段しか見てないので何とも
NearlineはGlacierよりも高速に復元できますが計算方法が魔界っぽいので頭が良かったらどうぞ


・Azure Storage
うーーん、Azure Storageはぶっちゃけ使いにくいイメージしかないのですがとりあえず書きましょう

ブロックBLOBでLRS(Locally Redundant Storage)で東日本リージョンの場合
$0.024 ~ $0.0224/GBとなります
データ通信はゾーン2なので?$0.138 ~ $0.12/GB
トランザクションについては$0.0036/100000トランザクション

Azure Storageは計算が面倒くさいのとアップロードをするためには何らかのツールが必須なのが難点
プランが柔軟なのはいいのですが頭が悪いのでめんどくさい。Webブラウザから上げれないのは若干マイナス

DR的なバックアップであればGRS(Geographically Redundant Storage)のほうがよいのかなーと思いますがLRSの倍
まあ知識があれば一番需要にこたえてくれそうなのはAzure Storageなんですかねぇ…


他のサービスは知りませn


まとめなんてなかった

考えるのが面倒だけどOneDriveから移りたいという場合Google Driveが強いかなーという印象です
まあいろいろ試すのはありでしょう。OneDriveも1年の猶予はあるはずです。1年使って碌なのがなかったらOneDriveに残るのも手ですし。1年たつ前に状況が改善するかもしれませんし…?

ちなみに私は様子見でいいかなーと。ロイヤリティボーナスが死んだらあきらめます
アカウント2つで共有フォルダ作ってもげもげしてるし足りないことはないんでしょうけど…

なんか個人向けじゃないものまで入ってザ・Poemしてしまった

この辺で